大阪の建設業で20代の応募を増やすには?

なぜ今、建設業の若手採用が難しいのか?本当の理由と現実

大阪の建設業界は深刻な人手不足に直面しています。特に20代の若手人材の採用は、どの企業にとっても最優先課題となっており、求人広告の出稿数も右肩上がりに増加しています。しかし、求人サイトを見渡しても「若手歓迎」「未経験者OK」「20代活躍中」といった文言ばかりが並び、差別化がまったくされていない状態です。

若手求職者から見れば、建設業界の求人はどれも「似たような会社」「似たような仕事内容」に映ってしまい、結果として応募を避けられてしまいます。つまり、ただ「若手がほしい」と叫んでも、届く相手には届かない時代に突入しています。

また、Z世代と呼ばれる現在の若年層は、仕事のコストパフォーマンス・タイムパフォーマンス:仕事内容×拘束時間×付加価値(働きやすさ・企業文化・将来性・やりがい)÷給与額を総合的に見て就職を判断する傾向があります。こうした価値観の変化に合わせた採用戦略ができていない企業は、いくら求人を出しても若手から見向きもされません。

AI時代におけるブルーカラーの価値とは?グローバル視点で見る建設業の将来性

「すべての建設業が若手採用に苦戦しているのか?」というと、答えはNOです。

AIの急速な発展により、事務系職種や単純作業の自動化が進んでいます。いわゆるホワイトカラーの仕事の一部は、AIやRPAに置き換えられつつあり、「人にしかできない仕事」への注目が世界的に高まっています。その代表例が建設業をはじめとしたブルーカラー職種です。

実際にアメリカやヨーロッパでは、「手に職をつけられる仕事」として建設・電気・配管といった技能系の職業が再評価され、若者の間でも人気が上昇しています。AIでは代替しきれない現場判断や施工技術、顧客対応など、人間にしかできない領域が多く残されているからです。

現に、20代の若手から安定的に応募を集めている建設企業も存在します。それらの企業に共通するのは、建設業の将来性や社会的意義を若手に分かりやすく伝えていること、そして働く環境やキャリアの魅力を"今の若者の視点で再構成して発信している"(=若者が読み取れる言葉)という点です。

つまり、建設業界全体が若手から敬遠されているのではなく、「伝え方を工夫していない企業」が取り残されているのです。時代が変わり、働く価値観が多様化した今こそ、「建設業で働くことの意味と可能性」を若手にどう伝えるかが問われています。

「建設業が選ばれない」理由は?20代が抱くイメージの壁をどう突破するか

◆ 20代の本音と建設業への先入観

「建設業って体力的にキツそう」
「危険そうな仕事で長く続けられなさそう」
「なんとなく暗い職場のイメージ」
「女性が少なく、閉鎖的な印象がある」

こうしたイメージが応募の前段階である「求人サイトで建設業を検索する」ことから遠ざけています。

これらを払拭するには、単なる待遇や制度の説明では足りません。自社で働くことのリアルな日常や、若手社員が成長していく姿を見せるコンテンツが効果的です。InstagramやTikTokなど、ビジュアル主体のSNSで現場の雰囲気や職場環境を発信している企業は、応募数が大きく伸びているという事例もあります。

ここで重要なのは、求職者が「建設業」と検索して見つけたわけではないという点です。普段のSNS利用の中で、たまたま流れてきた動画や投稿に興味を惹かれ、「なんだか面白そう」「雰囲気が良さそう」と感じてプロフィールを見に行く。結果としてそれが建設業の企業だった、という順番です。

このように、“建設業に興味がある人”ではなく、“まだ興味を持っていない潜在層”の目に自然に触れる設計が、若手の応募を増やす上で極めて重要になります。つまり、SNSや求人原稿は単なる発信ツールではなく、「若手潜在層にアプローチするための採用チャネル」として活用すべきなのです。

◆ 潜在層とは誰か?

現在、建設業に応募してくる20代は、ごく一部の「もともと現場職に興味がある」層に限られます。しかし実際には、興味はないが可能性があれば検討する「潜在層」が大半を占めています。この層に届く情報設計が重要です。

どうすれば20代からの応募を増やせるのか?効果的な求人の出し方と表現術

◆ 同じ表現は埋もれるだけ:「若手歓迎」はもはや逆効果

「未経験OK」「20代活躍中」といった表現は、他社と被るだけで差別化にはなりません。今求められるのは、「この会社はちょっと他と違う」と思わせる独自の言い回しです。

例えば:
「週1でBBQする現場ってどうですか?」
「賞与〇〇万円支給!半年後にベルファイアも買えちゃう!」
「同じバイトなら明確に給料が上がる方がよくないですか?昇給規定は〇〇なので3カ月後には日給〇〇円!」
など、「若手にとってのメリットや面白みを具体的に伝える」言葉が重要です。

◆ 若手が注目するキーワードとは?

20代が仕事探しで検索するワードには以下のような傾向があります。
「〇〇※エリア 高収入バイト」
「タイパいい 仕事」
「月30万円 バイト」
「思ったよりラク 20代」
求人文にも、こうしたキーワードや要素を自然に織り交ぜることでSEO的にも有利になり、検索上位に表示されやすくなります。

◆ 「しっかりしていない若者が来そう」は偏見。若者世代の感覚のアップデートを

こうした「面白そう」「ラクそう」「高収入」といったキーワードを使うと、「しっかりしていない若者ばかりが集まってしまうのではないか?」と心配する声も多く聞かれます。ですが、その感覚こそ、今の採用において見直すべき固定観念です。

20代の若者すべてが軽い気持ちで仕事を探しているわけではありません。実際には、将来のビジョンを持っている若者、働く意味を真剣に考えている若者も多く存在します。ただし、彼らも最初から建設業を選択肢に入れているわけではなく、目に入った情報が「自分にも関係ありそう」と感じたときに初めて興味を持ちます。

特に建設業においては、明確な目的意識を持つ若者よりも、“何がやりたいかわからない”“将来が想像できない”という潜在層にアプローチすることが、若手応募数を飛躍的に伸ばす鍵となります。ターゲットを「迷っている若者」に設定し、その層が気軽に一歩踏み出せるような入り口をつくることが、今後の採用戦略において極めて重要です。

甲斐 尊之

株式会社セブンピクチャーズ

甲斐 尊之

■株式会社セブンピクチャーズ HR事業部 部長
■採用定着士 勉強会 講師(一般社団法人採用定着支援協会)
人材採用&人材定着支援、求人コンサルティングに従事。企業の人材獲得から定着までのプロセスを最適化し、長期的な成功に貢献。実践的な解決策と戦略的アプローチで、企業の人材戦略を強化し、組織の成長を促進しています。

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