今の時代の求人広告の新しい形
かつての求人広告は、「勤務地」「仕事内容」「給与」といった基本情報の提供に重点を置いていました。
いわゆる「どこで何してなんぼもらえる」情報のみが、求職者・採用企業にとって重要でした。
しかし、現代ではインターネットやSNSが普及し、求職者はこれらのプラットフォームを通じて多様な情報を手に入れています。
このような環境下では、従来の情報だけでは明らかに不十分であると感じる人が多くなっています。
現代の求職者は、給与や勤務地、仕事内容の詳細を知ることに加えて、
「どのような会社」で、「どんな人たちと働くのか」、「自分がその会社に入ったときにどのような未来を描けるのか」を知りたがっています。
また、わかりにくく書いてある給与の支払い条件などの具体的な情報も重要視されています。
これに応じて、企業側も自社の特色や働く環境、ビジョンを明確に打ち出し、自社にフィットする人材を引きつけ、定着させたいと考えています。求人広告はそのための一つの手段であり、求職者とのマッチングを適切且つ効果的に行うツールとしての役割が求められています。
現代の求人広告は、単なる職務の説明を超えて、『企業の魂を見せるラブレター』として機能すべきと考えています。
それは求職者に対して、どのような企業であるか、どのような未来が一緒に築けるかを語る内容でなければなりません。求人広告を通じて、企業は自身の文化や未来を語り、現実をリアルに伝えることで、求職者に真の姿を伝えることが現代の求人原稿の考え方の一つとなります。
給与を月給〇万円～〇万円と掲載していませんか？
求人広告で提示される給与範囲「月給20万円～22万円」は、実際にその最高額（月給22万円）を受け取れる求職者がどれだけいるのかという点について、しばしば疑問が持たれ、掲載する採用企業以上に、求職者は敏感に気が付いている部分となります。
（多くの場合、求職者は掲載された給与の下限が基本給（月給20万円）であると理解しています。）
実際に上限の給与を受け取ることができるのは、特定の条件を満たす一部の人々に限られる場合やそもそも入社時から最高額の可能性が0の場合もあります。
求人広告においては、給与の具体的な詳細をより明確にすることが重要です。
例えば、基本給の他に手当や賞与がどのような条件で支給されるのか、またそれがいくらになるのかの「条件」と「金額」を明示することが求められます。
転職は人生の大きな決断であり、その過程で重要なファクターである「お金」に関する情報は、ぼんやりとしたものではなく、具体的で透明なものでなければなりません。
このように給与条件を明確に示すことは、求職者にとっての優しさであり、正しい職場選びのための判断材料を提供することになります。
また企業側の目線としても、給与面での早期離職を防ぐことに近付き、より定着性の高い人材の採用につながる可能性が上がります。
3カ月後の採用が変わる求人原稿のアプローチ
企業自身で質の高い求人原稿を作成することには限界があります。
それでは、どのようにして効果的な求人広告を作成すべきでしょうか？主に次の三つのアプローチが考えられます。
■社内で求人広告の専門スキルを持つ人材を育成する
この方法の利点は、企業文化やビジョンを深く理解している社内の人材が、その魅力を求人原稿に反映させやすいことです。
その人材が育つまでの時間が必要であり、その人が退職するとまた一からスキルやノウハウを蓄積しなければならないというデメリットがあります。
■求人広告代理店の利用
代理店は多くの求人広告の作成経験を持っていますが、その目的はあくまで求人原稿の販売や枠の提供にあります。
したがって、実際の採用や定着を目的としたサービスは期待できない場合が多いです。
■人材会社による求人サポートの利用
人材会社では、採用と定着を直接的な目標としており、これがマネタイズのポイントにもなっています。そのため、求人広告だけでなく、採用後のフォローアップも含めた包括的なサポートを提供しています。特に、私たちのような人材会社では、お客様のニーズに合わせたパーソナライズされた求人サポートを行っておりますので、求人作成の伴走者として最適です。
各選択肢にはそれぞれ特徴があり、企業のニーズやリソースに応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
『採用』や『定着』を目的とした求人原稿の作成と管理に関してご不明な点があれば、お気軽に私たちのサービスにご相談ください。
株式会社セブンピクチャーズ
甲斐 尊之
■株式会社セブンピクチャーズ HR事業部 部長
■採用定着士 勉強会 講師（一般社団法人採用定着支援協会）
人材採用＆人材定着支援、求人コンサルティングに従事。企業の人材獲得から定着までのプロセスを最適化し、長期的な成功に貢献。実践的な解決策と戦略的アプローチで、企業の人材戦略を強化し、組織の成長を促進しています。