- コラム
飲食店の正社員採用で応募者に聞くと、「家が近いから」「いつも通っていた店だから」「イタリアンで働きたかったから」「給料が良かったから」といった回答がよく出てきます。しかし、本当に応募者が応募したお店で働きたい理由・応募したお店でないといけない理由なのでしょうか。求職者が話してくれる理由は、実はどの飲食店の募集でも言える内容であり、横並びになってしまっているケースが少なくありません。
つまり、多くの飲食店が採用の出発点でつまずいているのは、応募者にとって「その店でなければならない」という強い理由づけができていないことです。応募者が「応募したお店以外では働きたくない」と思う動線と理由をどうつくるのか。その視点こそが、飲食店の正社員募集では最も重要です。
■ 応募者に「働きたい」と思わせる理由が必要な理由
飲食業界は全国どこでも存在し、働きたい人も多い一方で、応募動機は曖昧になりがちです。「飲食が好き」は応募の入り口にすぎません。応募者の動線とは、「ぼんやり飲食で働きたい」と思っている層をあなたの店に引き寄せる仕組みです。まずは応募者がどのようなキーワードや環境で動いているかを理解しましょう。
ただ「給料がいい」「まかないがある」だけでは応募者の選択肢の一つにしかなりません。応募者の中には、業務内容や将来性、職場文化を重視する人も多いのです。
■ 飲食店の採用で他店と圧倒的に差別化するには?
飲食店の正社員採用では、「他店と圧倒的に違うポイント」を提示できるかがカギになります。ただ「まかないがある」「仲が良い」だけで差別化できるでしょうか? 多くの飲食店が同じようなアピールをしている中で、求職者の心をつかむのは簡単ではありません。
差別化できるポイント例
・キャリア形成制度(例:入社1年で調理長候補への道を用意)
・独立支援制度(将来自分の店を持ちたい人向けの支援)
・専門スキルの習得機会(例:日本料理の技術研修、海外研修)
・働き方の柔軟性(週休制度の明確化、有給消化率向上支援)
・独自のブランド価値(地元食材×伝統技術の融合など)
求職者は情報過多な時代に生きています。求人票や募集ページを見た瞬間に「これは他とは違う」と感じられる仕掛けが必要です。その仕掛けをつくるために、採用戦略と集客戦略は同じ視点で設計しましょう。
■ 「応募が来ない」を「応募が止まらない」に変えるには?
応募者は「どこで働くか」を悩んでいます。中華がいい、和食がいい、〇〇沿線という大きなカテゴリは動かしにくいですがが、その中でどこで働くかを選ぶ理由を明確につくることはできます。
具体的には:
求職者の行動心理を分析する
求職者の価値観に刺さるメッセージをつくる
他店と違う独自魅力を求人コンテンツで伝える
店舗のビジョンや将来像を明示する
このように採用戦略を変えていくと、求人票を見る側の反応が確実に変わります。「とりあえず応募してみよう」という段階から、「ここで働きたい」と思わせる求人メッセージへと変わるのです。
飲食店の正社員採用では、応募者に「なぜこの店で働きたいのか?」という強い理由づけを提供することが重要です。給与や立地だけでは他店と差別化できません。応募者の動線をつくり、応募者自身が「ここで働きたい」と思える独自の魅力ポイントを明確に提示する採用戦略が必要です。人材確保が難しい今だからこそ、求人戦略そのものを見直し、他店と圧倒的に違う訴求を打ち出していきましょう。