• コラム

「アットホームな職場」って書いていませんか?-1カ月以内に土木・建築作業員を集める求人広告の書き方

「作業員を安定的に採用できれば、もっと現場を増やせるのに…」

こうしたお悩みを多くの企業様からお伺いします。人材不足が現場の拡大を阻む一方で、有料職業紹介の対象外である土木作業員などの現場スタッフは、求人広告を通じた安定的な流入が重要な採用経路となっています。

そのため、まず取り組んでいただきたいのが、求人広告の見直しです。現代のネットユーザーは膨大な情報の中から、自分にとって必要な情報のみをピックアップするスキルを持っています。そのため、求人広告も時代と共に作り方が変化しており、求職者に「行動を促す言葉」「他社との差別化」が大切な要素となっています。

たとえば「アットホームな職場」という曖昧な表現では、職場環境の良さが十分に伝わりません。せっかくの良い職場環境も、具体的な言葉を用いることで初めて、求職者にとって「自分に合った働き方ができる職場だ」とイメージしてもらいやすくなり、応募の意思を持ってもらえます。

本コラムでは、職場の良さや環境をより的確に伝えるためのポイントを、具体的な項目ごとに解説します。

土木・建築作業員に刺さる!-求人原稿のカキカタ

1. 給与は入社時も未来も明確に

給与については「いくらもらえるか」が求職者にとって最大の関心事ですが、求人の給与欄から入社時の給与や1年後の給与は読み取りにくいのが現状です。例えば、漠然と「昇給随時」と書くよりも、「〇〇の資格取得で日給+1,000円」「〇〇業務ができるようになれば昇給10,000円/月」など、自分がどのようにすればお給料がUPするのか、なにを評価する会社なのかを具体的に示しましょう。他にも、各種手当と下記化がちですが、「安全資格手当は資格取得者のみ3,000円/月」など、どのような行動やスキルでその手当が支給されるかを明確にすることで、自分がいくらもらえるかがよりイメージしやすくなり、応募意思決定につながります。
 

2. 現場の概要と規模を具体的に

求職者が安心して応募できるようにするため、「どのような工事なのか」「どのくらいの規模なのか」を明示する必要性があります。例えば、「公共インフラの土木工事」や「新築住宅の造成作業」などの工事内容を記載することと、「住民を水害から守るため」「BABYが産まれて住居を購入される方向けの新築住宅」など、何のために行う業務なのかも具体的に記載するとイメージが増します。また、「全体で50人規模の現場」「チーム構成は5~6名」など、現場の規模やチームのサイズがわかると、どのような環境で働くかがイメージしやすくなります。
 

3. 人間関係の良さはエピソードトークが有効

人間関係の良さをアピールする際は、具体的なエピソードを交えて伝えるのが効果的です。たとえば、「子どもが生まれた際の会社のサポート」「休憩中に先輩が気軽に声をかけてアドバイスしてくれる」「社員旅行は家族同伴で、財布を持たずに参加OK」といった実際のエピソードを挙げることで、職場での実情が伝わりやすくなり、求職者に働く姿をイメージしてもらいやすくなります。

エピソードを用いることで、職場のチームワークや温かいサポート体制が自然に伝わり、求職者に安心感を与えることができます。ここで大切なのは、現代は価値観が多様化しているため、職場の良さを「ありのまま」に伝えることです。事実をわかりやすくシンプルに示すことで、入社後のギャップが生まれることを防ぎ、より長く働ける環境だと感じてもらいやすくなります。

 

4. 安全対策とサポート体制

土木作業において、安全対策がしっかりしているかどうかは求職者にとって非常に重要なポイントです。具体的には、「定期的な安全ミーティングの実施」「全員を対象とした安全研修の徹底」など、会社が取り組んでいる安全対策をしっかりと伝えましょう。さらに、「昨年の事故件数の低さ」や「万が一の際の迅速なサポート体制」についても触れると、安心感が伝わります。

こうした情報を盛り込むことで、未経験者や安全面を重視する求職者にも安心して業務に取り組める職場であると感じてもらいやすくなります。

 

5. 通勤アクセスや職場設備の充実度

現場へのアクセス条件や職場設備も応募に影響する重要な要素です。「直行直帰OK」「現場への送迎有」「最寄り駅から徒歩10分」「車通勤可(無料駐車場完備)」などの通勤環境や、「休憩室完備」「男女別トイレあり」など、快適に働ける職場設備を明記しましょう。現場での過ごしやすさが具体的に伝わり、長時間作業でも安心して働ける環境がイメージしやすくなります。
 

6. 働きやすいシフトや休憩制度の明確化

勤務時間やシフトの柔軟性も、応募を左右する重要な情報です。「1日の流れ」や「休憩の取り方」を具体的に説明しましょう。例えば、「朝8時始業、10時と15時にそれぞれ15分の休憩、昼休憩は1時間」といった詳細を記載することで、現場での働き方がより具体的にイメージしやすくなります。また、「シフトの調整が可能」「残業はほぼなし」といった抽象的な書き方ではなく、「シフトは〇週間前に決定」「希望休の取得率」「昨年度の平均残業時間は月〇時間」といった具体的な内容が、求職者により明確に伝わります。

さらに、近年はワークライフバランスを重視する求職者も増えています。求職者が自分の生活と仕事のバランスを取れるかを判断できるよう、「柔軟なシフト対応」「年間休日〇日」「連休の取得も可能」といった記載を具体例を意識して、仕事以外の時間も大切にしたい求職者に響く求人内容を目指します。

まとめ

作業員を安定的に採用するためには、求人広告の見直しが欠かせません。求職者にとって魅力的な情報を具体的に盛り込み、「自分に合った働き方ができる職場だ」と感じてもらえる内容を心がけましょう。給与の詳細や現場の規模、安心できる安全対策、職場の人間関係、通勤やシフトの利便性などを具体的に記載する適切な情報量の求人こそ、求職者の信頼と安心感を高め、応募する行動につながります。

抽象的な表現ではなく、職場の実情や特徴をリアルに伝えることで、求職者にとっての「働きやすさ」「働いた後の自分」がしっかりとイメージできる求人広告を作成しましょう!

株式会社セブンピクチャーズ

甲斐 尊之

■株式会社セブンピクチャーズ HR事業部 部長
■採用定着士 勉強会 講師(一般社団法人採用定着支援協会)
人材採用&人材定着支援、求人コンサルティングに従事。企業の人材獲得から定着までのプロセスを最適化し、長期的な成功に貢献。実践的な解決策と戦略的アプローチで、企業の人材戦略を強化し、組織の成長を促進しています。